なんでお刺身にタンポポがついているの?
と子供に聞かれ、お刺身についているのは
タンポポじゃなくて菊よ、と教えたのはいいものの、
「なんでお花がついてるの?食べられるの?」
とさらに追求され「えーっと…」と
困ってしまったこと、ありませんか?
お刺身の黄色い花は最近プラスチックの作り物の
こともありますが、もともとちゃんと
意味があって菊の花が添えられているんです。
お刺身の菊のなぜ?についてご紹介します。
刺身のつまの黄色い菊は何?
どうしてお花がついてるの?という質問に、
お刺身は赤や白が多いから、黄色い花が
良い彩りになるんじゃない?
なんて適当に子供に教えてはダメですよ〜。
タンポポのように見えるあの黄色い花は、
菊の花、小さな「食用菊」です。
ただの彩ではなく、ちゃんと食べられるお花なんです。
菊のおひたしなどに使われる食用菊には
いくつか種類がありますが、刺身のつまに
使われる小さな食用菊は「つま菊」といいます。
菊の花、というと仏花と独特の匂いの印象が強いですが、
食用の菊には、そんなに強い香りはありません。
刺身に食用菊を添えるのはなぜ?
菊の花は、健康と長寿の象徴でした。
9月9日の重陽の節句(ちょうようのせっく)には、
菊の花を真綿で覆い、菊の朝露で湿った綿を
顔に当てて若返りを願ったり、菊の花を浸した
「菊酒」を飲んで長寿を祝う習慣があります。
菊の花の防虫効果は蚊取り線香などで有名ですが、
菊には食中毒を防ぐ殺菌効果(解毒効果)もあります。
そのため、生の刺身による食中毒を予防する目的で
刺身に添えられるようになった、と言われています。
解毒効果が期待できるので、お刺身に添えられた
菊の花は、実は食べたほうがいいんです!
解毒物質以外の栄養としては、β-カロテンやビタミンC、
葉酸をはじめとしたビタミンB群など抗酸化作用の
あるものを多く含んでいます。
抗酸化、といえばアンチエイジングではないですか!
菊を長寿と若返りの象徴にした昔の人は偉いですね。
私は穂紫蘇(シソの花)は好きで食べるのですが、
黄色い花は今まで食べたことがありませんでした。
最近ではプラスチックの作り物の菊が
添えられていることも多いですが、今度
本物の食用菊がついているお刺身を買ったら、
ぜひ食べてみようと思います。
刺身の菊はどう食べる?おすすめの食べ方
お刺身のツマ菊を食べるぞ!となると、
気になるのはその味ですよね。
香りからして、なんとなく苦そうですが…
菊ってどんな味?
菊をよく食べる、という人に聞くと、
食用菊はちょっとほろ苦い味がするけれど、
菊というのは香りを楽しむものなので、
基本「味」はないのだそうです。
お刺身の菊の食べ方は?
食用菊は食べやすいように作られていますが、
花の中央部分(雄しべ・雌しべ)は避けて
花びら(花弁)だけを醤油に散らすのがおすすめ。
菊は、鯛などの白身の魚と相性がよく、
見た目も綺麗で粋です。
菊を食べる時の注意点は?
キク科の植物が原因の「菊アレルギー」の
人は、食用菊を食べないよう気をつけなくては
いけません。
ブタクサ、ヨモギ、カモミールなどの
キク科の植物にアレルギーがある方は、
刺身の菊は食べないようにして下さいね。
まとめ
お刺身の飾りのように見える黄色い花は、
抗菌効果・殺菌効果のある「つま菊」という
種類の食用菊です。
食用ですから、もちろん食べられます!
解毒物質以外にも、β-カロテンやビタミンC、
葉酸をはじめとしたビタミンB群などの
栄養も豊富です。
黄色い花びらを浮かべた醤油に
緑のワサビを添えた白く透き通る刺身を
ちょいちょい、なんてとても風流ですね。
お刺身の菊、ぜひ一度食べてみて下さい。