秋が深まり、冬の訪れを感じる11月。
東京の11月の風物詩が、商売繁盛の「熊手」を
求める人で賑わう11月の「酉の日」に行われる
酉の市(とりのいち) です。
都内最大の賑わいを誇る浅草の酉の市では
なんと百軒以上の熊手屋さんが並びます。
熊手(くまで)と行っても庭掃除の道具ではありません。
この画像のような飾り物の「縁起熊手」です。
小判に米俵に福笹に、と縁起物がこれでもか!
とくっついている特別な熊手なんですよ。
様々な種類の熊手があって目移りしてしまいますが、
酉の市で熊手を購入するなら絶対にチェックしたい
有名店・人気店があるのをご存知ですか?
ちょっと通な熊手の選び方、買い方を紹介します。
酉の市での熊手の選び方
私が初めて酉の市に行ったのは、結婚前の20代の時。
職場のおじさんに
「まめりんごちゃん、酉の市行った?
女の人が酉の市に行くとすぐ売れちゃうよ!」
と言われたのがきっかけでした。
24歳過ぎの女性は「売れ残り」なんて
言われていた時代ですーー。
酉の市が婚活に効く!なんて話はこの時以来
聞いたことがありませんが、以後せっせと通い、
気づけば結婚し、一男一女を授かりました。
酉の市の熊手は、金運だけでなく結婚運も
かっこむのかもしれませんね。
とにかく、酉の市の独特の活気にすっかりハマり
お酉さまで熊手を買うのが恒例行事になりました。
今回は最も大規模で活気溢れる
浅草の酉の市
の熊手についてご紹介したいと思います。
写真:鷲(ワシ)と書いて「おおとり」と読む、浅草の鷲神社
浅草の酉の市が行われるのは、11月の酉の日。
11月は全ての酉の日に市がたちます。
「酉の日」は暦でチェックできますが、
2018年から2020年までの酉の市の日程はこんな感じ。
2019年(平成31年) 8日 20日
2020年(平成32年) 2日 14日 26日
酉の日が11月1日など早く巡れば11月中に3回、三の酉まであり
月初に酉の日がない年は、二の酉までとなります。
三の酉まである年は火事が多いということで、
浅草では火除守りの授与がありますが、
一の酉、二の酉、三の酉、いつ行ってもご利益は同じ。
なので、都合の良い日に行けば良いのです。
(12年に一度の酉年(とりどし)には特別な
勝幟守・勝札(しょうしまもり・かちふだ)の授与があるので、
酉年にはぜひ酉の市に行ってくださいね!)
浅草酉の市の最寄り駅はこちらで詳しく紹介しています。
浅草の酉の市は夜中、午前零時の「一番太鼓」
から始まり24時間続くので昼間も楽しめますが、
やっぱり本番は提灯が灯る夜!
座って1杯飲める屋台も多く、子供よりも
大人の方が楽しめるお祭りです。
では、浅草酉の市の熊手の選び方をご紹介します。
露店の熊手は縁起物、神社・お寺の熊手はお守り
酉の市の日は、境内にぎっしり熊手の出店が並びます。
酉の市、といえば縁起物ぎっしりのこの熊手です!
伝統的な熊手からキャラクターーがついたものまで、
熊手のデザインは露店によって本当に様々。
1000円以下の小さなものから、数十万の
巨大な熊手まで、値段と大きさも色々ですから、
じっくり見て歩いてピン!とくるものを探しましょう。
熊手は買い始めたら毎年大きくしてゆくのが良いので
最初は小さなものを選ぶと良いと言われています。
私は露天の賑やかな熊手は商売繁盛のために
お店や事業所に飾るもの、と思っているので、
露天の熊手は見て楽しむだけで、購入するのは
神社やお寺の小さな「熊手お守り」です。
小さなな熊手に稲穂とお札がついた、
1000円〜3000円くらいのものですね。
「熊手お守り」は酉の市の日限定ではないので
酉の市ではやっぱりその時しか買えない
色取り取りの出店の熊手を買うのが正解!
なんですけど、派手な熊手は狭い部屋では
浮いてしまうので、地味なお守りを買っています。
要チェック!浅草の酉の市熊手の人気店2
浅草の酉の市で熊手を見ていると、札がかかった
予約済み・売約済みの熊手が目につきます。
芸能人の名前は、お!と目を引きますね。
実際、酉の市では芸能人を見かけることも多いとか。
有名人も御用達の人気店を二つ、ご紹介します。
浅草 福田屋
石原慎太郎元東京都知事など、石原家の方々の
お名前札がたくさんあるのが、福田屋さんです。
酉の市がたつ浅草の鷲(おおとり)神社には
「なでおかめ」という大きな木彫りの
お多福のお面があるので、
(「なでおかめ」は撫でる場所によって様々な
福を授かることができる有名な縁起物ですが、
混雑する酉の市の期間は披露されません。)
おかめのデザインが多い福田屋さんの熊手は
人気があるみたいですね。
浅草 よし田
歌舞伎役者さん落語家さんの名前がずらりと
並んでいて目を引く、よし田さんの露店。
よし田さんの熊手は全て手作業で作られたもの。
使用している材料もプラスチックなどではなく
紙、竹、わらなど自然のものなんです。
手描きの七福神を中心にした「宝船熊手」は
よし田さんでしか買えない伝統工芸品。
鷲神社の酉の市でしか買えない貴重な熊手です。
値段も高いですが、あまり数もないので
遅く行くとほとんど売り切れています。
福田屋さん、よし田さんは、複数の露店があります。
場所は鷲神社の「境内熊手店配置図」で確認できます。
熊手商と交渉する酉の市での買い方。値切りが苦手なら?
浅草の酉の市で熊手を買う時は、値段交渉してまけて
もらっても定価(言い値)を支払い、まけてもらった分
は「ご祝儀」にするのが粋だと言われていますよね。
まけてもらう=勝つ
だから縁起が良い!ということで
わざとこんな買い方をするんです。
でも、江戸っ子風に小粋なやり取りするのは
ハードルが高い…という場合は、値段を聞いて
「じゃあ、ご祝儀込みでその値段で!」
と言えばそれでOKなんですって。
手締めは本当は1万円以上の熊手でないと
してもらえないのですが、
(1万円以上の熊手は、名前を入れてもらえることも!)
「本当は4000円だけど3000円でいいよ〜!」
と言われ、4000円だして1000円はご祝儀で、
と言ったら「ご祝儀頂きました!」と
三本締めしてくれた、という子もいます。
なお、神社やお寺の「熊手守」は定価です。
熊手の形でも神社で値切りはしないように!
熊手以外のお土産についてはこちらで紹介しています。
まとめ
”福をかき集める” 酉の市の熊手。
金銀財宝を詰め込んだ熊手は、
運を「かっ込む」
福を「はき込む」
開運招福・商売繁盛を願いが込められた江戸の縁起物です。
商売繁盛なら露店の熊手商との価格交渉を
楽しみながら縁起物の熊手を。
浅草では福田さん、よし田さんが人気で
境内に複数の露店を出しています。
色を抑えたもの、可愛いキャラクターもの
などこの他にも本当に色々な熊手がありますので、
じっくり見て回ってくださいね。
浅草の酉の市は、長國寺、鷲神社でも
「熊手守り」の授与があります。
大きな熊手ではなく、ちょっとした
「お守り」が欲しい場合は、手頃な
お寺や神社の熊手守りを購入すると良いでしょう。
酉の市が終わると、いよいよ年の瀬。
酉の市での熊手を買った後の挨拶は
「良いお年を!」です。
クリスマスが盛んになる前からの
伝統行事なんだなぁ、と思いますよね。