夜驚症(やきょうしょう)を知っていますか?
夜驚症とは、
眠っていた子供が突然起きて興奮して叫び出す、恐怖で錯乱状態になって何を言っても聞かない、という睡眠時の行動障害で、睡眠時驚愕症、錯乱泣き、と言われることもあります。
赤ちゃんの夜泣きとはまたちょっと違い、うちの息子の場合は
「悪霊に取り憑かれたのでは?」
と本気で思うほど怖かった夜驚。
夜驚症は朝本人に確認すると全く記憶がないことがほとんどなのですが、人によってはなぜパニックになったのか覚えている人もいるんですって!
あの時一体何が起こっていたの?
夜驚症の記憶を持つ人の話をふまえ、親にできる対策を考えてみました。
夜驚症とはどんなもの?
夜驚症(やきょうしょう)は4〜12歳の幼小児期の「脳の発達が未発達な子供」が「深いノンレム睡眠状態」にある時起こりやすいと言われる、睡眠中の興奮状態です。
寝ぼけて起きる、という生易しいものではなく、突然に激しい叫び声や泣き声を上げ、怯えた表情で坐ったり立ち歩いたり、一点を凝視したり、
「錯乱(さくらん)した!」
としか言いようのない状態で、そんな子供の様子は見ている親にとっても恐怖としか言いようがありません。
何かを指差して訳のわかないことを言いだしたときは、これは夜驚症なんだ、とわかっていても
「子供に霊がついたのでは?!」
と非常に怖かったです、、、。
今お子さんがこのような方、大丈夫です。
夜驚症は成長とともになくなります!*
小さい頃夜驚症だった息子は、現在体力有り余る高校生になっていますよ。
*夜驚症は病気ではないことがほとんどですが、夜驚症の原因が自閉症、てんかんだったり耳鼻咽喉科疾患による睡眠障害であると いうケースもありますので、もしこのような疾患に心当たりがあるときは一度小児科で相談してみると良いと思います。
夜驚症の記憶がある子、覚えている子はいる?
うちの子供の場合は、朝起きると夜中の出来事の記憶は全くありませんでした。
昨日こんなことがあった、と話しても
「え〜、本当に?覚えてなーい。」
と笑うだけ。
本人は幸せなものでした。
夜驚症だった時の記憶がある、という人によると
・得体の知れない恐怖でパニックになる
・怖いという感情に支配されてしまう
・世界に押しつぶされそうな恐怖
と感じていたといいます。
大人になってからも夜驚症以上の恐怖感を覚えたことはないとか…
うーん、こんな恐ろしい記憶だったら忘れている人の方が幸せですね。
夜驚症の対策、親にできることはある?
残念ながら、夜驚症の時の記憶があってもこうすればよかった、親にこうして欲しかった、と思うことは特にないようです。
夜驚症の子供は非常に興奮していて、心臓がバクバクしたり、呼吸が荒くなったり、汗をかいていることもあり、髪を逆立てて怒ったりすることもあります。
興奮状態は、通常1〜10分続くので、パニックがおさまるまで見守るしかありません。
夜驚症の原因にはストレスが関係しているという説があり、確かに我が家の場合は「下の子」の存在がありました。
ですが、ママ友の子供は夜驚症の本人が「下の子(弟)」でした。
息子もその子も、ストレスとは無縁そうな「怖いもの知らずタイプ」でしたが、背伸びするタイプ、とも言えるのでそれがストレスだったのかもしれません。
ちなみに、うちの下の子(女)ママ友の上の子(男)は繊細な慎重派タイプなのですが、夜驚はありませんでした。
夜驚症子供のストレス対策
夜驚症は甘えん坊の男児に多いという説があります。
下の子の妊娠・育児中に夜驚が始まった、という声も多いので、寝る前に親に甘えて安心させてあげるのは有効だと思います。
これを
「寝る前の30分のイチャイチャタイム」
と名付けているブログがありましたが、
寝る前に今日の出来事をゆっくり聞いてあげると睡眠中の脳の興奮を、少しは抑えられるのかもしれませんね。
夜驚があるときは、さっさと寝かせてドラマ見たい、という気持ちを我慢して仲良し親子する時間を作ってあげましょう。
夜驚は起こす?起こさない?
子供があまりに錯乱していると
「しっかりして!」
と起こしたくなってしまいますが、子供を起こすのは良くないようです。
子供を起こそうと立たせたりすると、外に出ようとするなどの「夢中遊行」に進展する可能性があるからです。
起こそうとしなくても、子供が勝手に歩き回っておかしなことを始める場合もありますが、そのような時も怪我にだけ注意して見守るしかありません。
夜驚がやや落ち着いたらベットに連れていき、優しく寝かしつけてあげてください。
昔ながらの夜驚対策
民間療法としては、
・お灸
・鍼(はり)
・疳の虫(かんのむし)の薬を飲む
また、おまじないとして
・逆さにした鶏(にわとり)の絵を置く
・お祓いに行く(虫きり・虫封じ)
というのもあります。
夜驚は本人に自覚がないことが多いですが、このような民間療法を試して親が安心することが子供に良い影響を与えることもあると思うので、試してみても良いかもしれません。
鶏の絵を書く、という方法なら簡単でお金もかかりませんし、知っていたら私もやりたかったです。
(鶏が鳴く=起きる、ということから、鶏が逆さま=寝る、という意味らしいですが、溺れる者は藁をもすがるのです!)
寝室の環境を見直す
子供は大人より体温が高く、体温調節も未熟なので暑さによる寝苦しさがストレスとなっている場合もあります。
パジャマや寝具が適切かどうか見直してみましょう。
小児科を受診する
我が家の場合は毎日というわけではなくたまに夜驚が出る程度でしたが、毎晩続いて親が大変ならば、一度病院で相談しても良いかもしれません。
病院の薬が効いた、という声もありました。
まとめ
夜驚症は脳が未発達な子供に起こるもので対策は自然に消失するのを待つ、というのが最も一般的です。
パニックになってわけのわからないことを叫んだり泣いたり、ベッドで飛び跳ねたりすることもあり、見ている方は気が気ではありませんが本人は何も覚えていないことが多いです。
稀に、夜驚の記憶があり怖かった気持ちを覚えている、という人も存在しますが、どちらにしても冷静に優しく見守りましょう。
親ができる対策には、入眠前に子供とゆっくりできる時間を作ること、寝室の環境を見直すことがあります。
病院に行く前に、昔ながらのおまじない等を試してみるのも案外効果があるかもしれませんよ。
とても興味深い記事でした。
私、今年で45歳の男性です。
子供のころの夜驚症の記憶が今でもはっきり残っています。
もっとも、夜驚症という言葉を聞いたのは恥ずかしながら昨年です。
たまたまあるサイトで悩んでおられるお母さんのお子さんが、
私が子供のころと同じようなパニックを夜中に起こして悩んでいるという記事を読んで、
夜驚症という症状があることを知りました。
私の体験からすると、夜驚症とはその字の通り恐怖です。
普通はあの”感覚”は大人になってどころか、翌朝には記憶がないようですね。
しかし、私ははっきりあの”感覚”を覚えています。
中々説明が難しいのですが、なにかに押しつぶされそうな、
圧迫感、閉塞感、まさに得体のしれない不思議な恐怖です。
月に何度かという頻度でその症状は起きていました。
当時は「意識を取り戻す」か「目が覚める」かどちらの表現が正しいのかわかりませんが、
気が付くと優しく声を掛けられながら母親に抱きしめられており、安心した記憶があります。
しかし、大人になった今でもあの”感覚”を数年に一回程度、わずかに感じることがあります。
それが大人になったからなのか、あの”感覚”が小さすぎるからなのかはわかりませんが、
さすがに恐怖に泣き叫ぶことはありません。
しかし「あ、またあれだ」みたいな感じ方をします。
今では誰も抱きしめてはくれません(笑)
もし、お子さんが夜中に泣き叫んでパニックになっていても、優しく抱きしめてあげてください。
てりーさん、コメントありがとうございます!
てりーさんは夜驚症の記憶があるだけでなく、今でもその感覚を覚えていらっしゃるのですね。
でも、恐怖と共に優しいお母様の記憶もある。
ご本人にとってはお辛いことだと思いますが、当時の苦労をすっかり忘れ去られている身としては、とても素敵なお話だなと思ってしまいました。
今子供の夜驚に悩んでいるお母さん、お父さんには、何よりも救いになる体験談だと思います。
とても貴重なお話をありがとうございました。