おせちに黒豆を煮たけれど、なんだか色が悪い。
売っている黒豆のように真っ黒にならないのはなぜ?
黒豆は古釘(ふるくぎ)を入れて煮ないとダメ!
というのは聞いたことがあるけれど、
錆びている釘を食べ物と一緒に煮るなんて、
汚いから嫌だし…とお悩みではありませんか?
なぜ、黒豆を黒くするには鉄の釘が必要なの?
鉄くぎがない、入れたくない時はどうしたらいいの?
そんな疑問にお答えします。
おせちの黒豆が黒くならない!
おせちに入ってる真っ黒で艶々の黒豆。
「漆黒」の黒豆があると重箱全体がキリッと
引き締まり、高級感を出してくれますね。
また、おせちの黒豆には
「黒く日焼けするほどマメに暮らせますように!」
だけでなく、黒=魔除けという意味も
ありますから、なるべく真っ黒に仕上げたいもの。
でも、黒豆だけでなく野菜は調理すると
色が抜けてしまいます。黒豆もただ煮ると
仕上がりは茶色や灰色になります。
おせちの黒豆が黒くならないのは、
黒豆の色素が水溶性で水に溶け出して
しまうからなんですね。
黒豆を煮るときお湯の量をかぶるくらいの
”ひたひた”にするのも、お湯が多いほど
色素が抜けてしまうからです。
煮汁に溶け出してしまった色素は、豆を
煮汁に浸けておくことでまた少しは
吸収されますから、煮汁をふくませたり
煮返して煮詰めると、出来立ての状態
よりも黒くなりますよ。
また、お湯の量以外に黒豆の黒い色素が
抜けないようにする工夫も必要です。
有名な土井勝先生の黒豆レシピでは、
黒豆の色抜けを防ぐために
サビ釘(さびくぎ)を使っています。
黒豆を調味料で煮る時に、サビ釘を
約10本(100g)加えるのです。
サビ釘は黒豆が柔らかく仕上がるまで
そのままで、冷ます時に取り出します。
黒豆を煮る時に錆びた古い釘を入れるのは、
黒豆の色素であるアントシアニンが鉄と
反応すると、鮮やかに発色するからです。
黒豆を煮る鉄は錆びてなくてはいけないの?
サビ釘(さびくぎ)とか古釘、と言われても
どこで手に入るのかわからないし、
錆びた鉄釘を食べ物と一緒に煮るって
衛生的にどうなの?!と思いますよね。
錆びた釘を使うのは、酸化した鉄が良いから、
錆びている方が水に鉄が溶けるから、
という説もありますが、錆びていなくても
「鉄」ならばOKです!
鉄のフライパンや鉄瓶を使っている方なら
よくわかると思いますが、鉄ってすぐに
赤茶色に錆びますよね。
錆びた釘を使うように、というのは
錆びている釘ならば、ステンレスなど鉄以外の
素材や鉄がコーティングされている可能性がない
からではないかと思います。
大切なのは錆びているかではなく「鉄」かどうか。
古いものでなくても「鉄」ならいいんです。
すき焼き鍋など鉄鍋があればそれを
使って黒豆を作ってもいいし、
鉄瓶を持っていれば鍋に鉄瓶の鉄蓋
を入れて一緒に煮る、という方法もあります。
鉄分補給用として売られている
南部鉄器の「鉄玉子」などを購入して
黒豆を煮ている人もいます。
黒豆を黒くしたい場合は、このような
「鉄製品」を利用すると良いでしょう。
参考商品:楽天市場で購入できる 南部鉄・鉄玉子 一覧
参考商品:Amazonで購入できる 南部鉄器 ザ・鉄玉子 一覧
また、食品添加物として売られている
「還元鉄」「鉄粉」も黒豆の色つけと
艶出しに使えます。
(プロが作る「黒豆蜜煮」は「還元鉄」
が使われていることが多いです。
2カップの豆に小さじ1/3で十分なので
購入すればかなり持つすると思います。)
黒豆の釘の代わりになるものは?
黒豆を黒くするための釘の代わりなる
鉄製品を紹介しましたが、鉄以外にも
黒豆を黒く仕上げる工夫があります。
黒豆を煮る時の砂糖を白砂糖から濃い色の
黒砂糖にする、という方法です。
また、焼きミョウバンがあれば
焼きミョウバンでも色止め出来ます。
焼きミョウバンを使った黒豆レシピをご紹介します。
料理名:黒豆煮
作者:あとぶー
■材料(5人分)
黒豆 / 300
砂糖 / 300~600g
醤油 / 100~300cc
焼きミョウバン(色よく仕上げるためです / 小さじ2分の1
重曹(やわらかく煮あげるためです / 小さじ2分の1
■レシピを考えた人のコメント
大晦日 アラジンストーブの上の黒豆を見張るのが 私の役割でした
その他、ミネラルウォーターなどアルカリ性
の水を使うと黒くなりにくい、という声
もあったので、アルカリ水で煮ていた場合は
水を変えてみると良いかもしれません。
しっかりと乾燥させた、でも古くない
黒豆を選ぶのも、黒く仕上げるコツです。
なお、黒豆は黒くなくても味や栄養は
特に変わりはありません。黒くする理由は
「見た目」を良くするため、です。
まとめ
黒豆が黒くならない時は、
アルカリ水は使わない
・煮汁をふくませる時間をとる
何度か煮返す
・煮る時に鉄を入れる
(釘ではなくても、鉄鍋でも鉄瓶の蓋でも
鉄玉子や鉄茄子でも良い)
・還元鉄や鉄粉を加えて煮る
・白い砂糖を黒砂糖に変える
・焼きミョウバンを加える
という方法から、やりやすいものを
選んで試してみてください。
また、黒豆は新しく良質のものを選んで下さいね。
出来立ての黒豆は茶色っぽくても、だんだん
黒くなることもありますから早めに作りましょう。
*大晦日に間に合わせるためのスケジュールは こちら
真っ黒つやつやの美味しい黒豆が出来ますように!