おせちの黒豆に、不思議なかたちの
「赤いもの」が添えられていました。
黒豆に金箔を添えて華やかにする、というのは
見たことがあるけれど、赤いものは初めて。
形がとても独特で、正直ちょっと気持ちが悪い
というか、味も全く想像できず、食べる気に
なれなかったのですが、気になります!
黒豆はおせちに欠かせない縁起物だし、
あの赤いものにもきっと意味があるのだろうけど、
あれは一体、なんなのでしょう?
お正月の黒豆の「赤いやつ」のこと、調べてみました。
おせちの赤いやつが気になる!
料理本のおせちの黒豆レシピに
「ちょろぎを添えるとおめでたさが増す」
と書いてあって、チョロギってなんだ?!
と思ったことがあったのですが、
黒豆と一緒の赤いもの、そう、これがそのおめでたい
チョロギ というものだったのです。
チョロギ、って…。名前も変だし、見た目も
まるで芋虫みたいでちょっと気持ち悪いし…
どうしてこれがおめでたいんだろう?
ちょろぎってどんな味なんだろう??
黒豆と食べると美味しいの???
私の実家は東京ですが、黒豆に赤いものが
入っているのは見たことがありませんでした。
ちょろぎってどこ発祥でどこが産地なんだろう?
関西かな?と思って調べてみたら、
秋田や岩手など東北地方が産地なんですね。
京都や岐阜、大分県にもチョロギの名産地が
あるということで、自分が知らなかっただけで
実は有名な食べ物だったみたい。
あの形は「芋虫」ではなく「巻き貝」と
表現するべきだったようで、失礼しました。
チョロギは中国伝来のシソ科の野菜で、日本に
伝わったのは江戸時代、生産発祥地は大分県
竹田市で、大分の伝統野菜だそうです。
中国では「長寿の薬」として漢方にも
なっており、最近は抗酸化物質が豊富という
ことでも注目されているんですって!
おせちの黒豆の飾りにするのはなぜ?
おせちの黒豆に添えられるチョロギは実ではなく
土の中の根茎・塊茎です。(根っこではない)
元々は白いもので、赤いのは梅酢や赤紫蘇酢に漬けて
赤く着色しているから。産地では白いまま(生)でも
使いますが、普通は漬物の状態で売られています。
栽培はそんなに難しくないようで、苗を買って
家庭菜園で育てている人もいました。
チョロギは漢字で「草石蚕」と書きます。
草石蚕をどう読めば「ちょろぎ」になるのか?!
と思いますよね。漢検一級の難読漢字です。
中国語の「朝露葱」をちょうろぎ、と日本語読み
にしたもの、という説もありますが、今の中国語には
「草石蚕(ツァォシィーツァン)」
「甘露子(中国語読み不明)」
はあっても朝露葱という名前はありませんでした。
ちょろぎが縁起物になったのは、
ちょろぎ、という読みに
・千代呂木
・長老喜
・長老貴
というおめでたい当て字があるからです。
この他に、
・丁呂木
・丁梠木
という当て字もあり、さらに
・甘露子
も「ちょろぎ」も読むんですよ。
とにかく、おめでたい字を当てて赤く染め
長寿を願っておせちに入れる、というのが
「ちょろぎ」がお正月に黒豆とともに
縁起物として食される理由でした!
おせちの黒豆の赤いのがお菓子になっていた!
チョロギは生産地では普段から身近な食材で
酢漬け以外にも揚げたり煮たりするそうですが
一番多い食べ方はやはり「漬物」です。
ちょろぎはカリカリ梅のような食感と味で、
本当にカリカリ梅感覚のお菓子(?)として
スーパーやコンビニ、100均でも売っています。
お正月前以外はなかなか入荷されないことも
あるようですが、楽天など通販でも買えます。
村岡食品からチョロギ梅風味というカラフル
なパッケージでも販売されています。
動画のチョロギは駄菓子屋で買ったんですって。
チョロギってお正月食材のようですが、
実は駄菓子屋さんでも買えるんですね。
まとめ
おせちの黒豆に飾られているものは
チョロギ(ちょうろぎ)という野菜です。
・長老木
・千代呂木
・長老喜
・長老貴
というおめでたい当て字があるため、
長寿を祝って黒豆とともにお正月のおせち料理
として食卓に上るようになりました。
赤い色は梅酢によるもので、味は
カリカリ梅に似ており、駄菓子としても
売られています。
近年健康食品としても注目されている
食材なので、機会があったら一度
食べてみたいものですね。