おせち料理の黒豆の作り方といえば、
ふっくらツヤツヤ柔らかく!
お正月の黒豆が固くシワがよると、
黒豆を煮方を失敗した〜、と思いますが、
お節の黒豆は「しわあり」に煮るもの
という説があるのをご存知ですか?
ふっくら柔らかなシワなし、ではなく
かためで甘さ控えめのしわしわ黒豆が食べたい!
歯ごたえのある豆が好きなんだ!
という方のためのレシピを紹介します。
黒豆はしわありが縁起が良い?!
我が家の黒豆はおばあちゃん自慢の
ふっくらツヤツヤ、しわなしでした。
母がよく、ばあばが煮る黒豆は
しわしわにならないのよね〜、と
羨ましがっていました。
なので、私も黒豆はふっくらしわなしが
成功で、シワができたら失敗、だと
ずっと思っていたのですがーーー。
田辺聖子さんの人気小説
「姥(うば)ざかり」を読んでびっくり!
主人公のお洒落なおばあさん、
歌子さん(76歳)が、嫁の黒豆が
フニャフニャに軟らかくて
黒豆の皮は皺ひとつなく、
たるみきり、ふやけている。
そうして、やけに甘い。
と文句を言っているのです。
黒豆は黒々とツヤ美しく輝やき、
皮に皺が寄らなければならない。
「シワは寄っても、マメなよに」
という心でお節料理に入れるものだ!
皺ののびた、ふやけて丸くふくらんだ
黒豆では意味がない、という歌子さん。
歌子さんは実家も嫁ぎ先も大阪ですが、
実母も姑も黒豆は皺の入った炊き方
だった、と言っているんですね。
私はこれを読んで、へぇ、関西は黒豆に皺がないと
ダメなんだ、皺がよってもマメでいられるように、
という考え方もあるんだと感心しました。
黒豆にしわを寄せるのは関東風?
そういえば、黒豆レシピを見ていると
たま〜に「しわあり」がありました。
あ、きっと歌子さんの大阪の黒豆だ、
と思ってそんなシワありレシピを見てみると
「関東風」という文字が!
あれ?と思ってよくよく調べてみたら、
歯ごたえがあるしわ入りの黒豆って
主に関東で好まれるものだったんですね。
歌子さんが言っていたのと逆!
うちは東京だけど黒豆はしわなしなので、
我が家とも逆ですが、しわあり黒豆は
基本「関東風」みたいです。
関東と関西の味の特徴としては、
しわしわ、固い、歯ごたえあり、甘み少なめ
関西の黒豆:
ふっくら、つややか、柔らか、ねっとり、甘い
黒豆の作り方は、
弱火で短時間、最初に砂糖を入れ仕上げに醤油をたらす
関西の黒豆の煮方:
極弱火で長時間、甘味をゆっくり豆に浸透させる
という違いがあるようですね。
関東風黒豆レシピは次章で詳しく紹介しますが、
関西がふっくらと蜜を煮含める(料亭風)で、
関東はしわを寄せて歯ごたえを残す感じです。
関東風は甘み控えめだったり、逆にこってりと
甘い場合もあるようで、砂糖の量はお好みです。
黒豆レシピ歯ごたえのある固めモチモチ系
では、クックパッドの関東風黒豆レシピを紹介します。
しわありレシピはおせちの黒豆ではマイナーな
存在ですが、それでも複数のレシピが見つかりました。
「つくれぽ(このレシピを見て実際に作って見た
人によるレポート)」も少ないのですが、
つくれぽがあることを基準に、3つ選んでみました。
↑2016年のクックパッドニュースでも紹介された、
ちゃまちーさんの黒豆しわありレシピ。工程の写真が
あるので一番わかりやすいかと思います。
小粒な黒豆をかっちり煮ています。
しわなしにする場合は豆が空気に触れないよう
煮汁に浸す必要がありますが、しわありは
豆が煮汁から顔を出すようにしてシワを作ります。
そのため、落し蓋はしないレシピが多いのですが、
ちゃまちーさんはクッキングシートで落し蓋を
していますね。
そして、「みりん」を入れています。
(みりんを入れて煮るとしわになりやすい)
黒豆250gに砂糖180g使用、と甘さは控えめ。
伝統的な黒豆レシピは黒豆と砂糖が同量なので
大分控えめですが、十分甘く歯ごたえがあります。
お祖母様が「しわが寄るまでマメに働けるように」
と煮ていたそうですよ。
しわあり黒豆で一番つくれぽがあったのが、
↑こちらのMonchiさんのレシピです。
柔らかい豆が苦手な方におすすめです。
男性は固めに仕上げた豆を好む人が多いようで、
Monchiさんの旦那様もこの黒豆がお気に入り、
他の家族にも好評というレシピです。
固めにしたいので、黒豆は水に漬けすぎないように。
特に柔らかい新豆は浸しすぎに注意です。
ポイントは最後の仕上げでしっかり艶が出るまで
煮汁を煮詰めることですが、焦がさないように注意!
シワシワの皮からの煮汁がたまらない美味しさ。
砂糖は黒砂糖とキビ糖をブレンドしています。
↑シワが寄ってもっちりした黒豆が好き、という
おねいさんのレシピです。
自分と同じように豆っぽい固い黒豆好きの
人と出会い、みんなが自分の好きな黒豆を
食べられるよう、甘さや硬さが調節できること
を目的に作られたレシピです。
このタイプの黒豆が食べたかったの!
とつくれぽが感謝の声であふれています。
関東風にしわありで固く煮る場合は、
丹波の黒豆のような高級な大粒のものではなく
小さめの黒豆を使うと良いですね。
また、豆を柔らかくする重曹は入れず、
仕上げに醤油を垂らします。
まとめ
ふっくらとした柔らかい黒豆ではなく、
もっちり歯ごたえがある固い黒豆が好き!
という方におすすめの
「しわあり」レシピを紹介しました。
・シワが寄ってもマメに働けるように
・シワが寄るまで長生き出来るように
という縁起が込められたシワあり黒豆。
売っている黒豆はツヤツヤふっくらした
ものばかりなので、しわありの黒豆は
手作り感があるなと感じました。
試しに作ってみたら、こっちの方が好き!
ということもあるかもしれませんよ。