拾ってきた松ぼっくりがいつの間にか閉じてしまった。
また、開いて種が落ちてきた!ということはありませんか?
木から落ちて、もう生きてはいないはずの松ぼっくりが開いたり閉じたりするのってよく考えたら不思議なことですよね。
松ぼっくりはどうして開いたり閉じたりするの?どんな仕組みになっているの?
松ぼっくりの開閉の仕組みを、自由研究の参考にもなる動画を交えて紹介します。
松ぼっくりはなぜ開くの?
拾ってきた時は閉じていた松ぼっくり。
そのままにしていたら、いつの間にか開いていた!ということはありませんか?
松ぼっくりは湿っていると閉じ、乾くと開くという性質があるので、湿った地面では閉じていたものが暖かく乾燥した室内で開く、ということがよくあります。
松ぼっくりは松の木の種?
松ぼっくり、ってなんなのでしょう?
松の木の種なのでしょうか?
針葉樹にできる松ぼっくり(松笠)のことを球果(きゅうか)と言いますが、これは雌花が実になったものです。
球果は鱗片(りんぺん)というウロコのようなもので覆われていて、この鱗片の中に種が挟まっています。
松の種には一枚の薄い羽(プロペラ)があり、これで松の種は遠くへ飛んで行けるのですが、雨など湿気の多い日は種を遠くへ飛ばすことが出来ません。
そのため、松ぼっくりは湿気があるときは種を濡らさないように閉じるのです。
そして、晴れて空気が乾燥した日に大きく開いてタネを飛ばします。
松ぼっくりが閉じる仕組みは複雑!
松ぼっくりが湿気によって開いたり閉じたりする仕組みは、松ぼっくりの鱗片(りんぺん)に秘密があります。
松ぼっくりは濡らすと閉じて小さくなるよ!
晴れた日に開いて種を飛ばすよ〜!
というのは幼児の本にも出てくるお話ですが、それでは
・なぜ濡れると閉じるのか?
・どうして乾燥すると開くのか?
という松ぼっくりの構造と開閉する仕組みについての話となると、かなり複雑です。
松ぼっくりの鱗片は二層の繊維でできている
松ぼっくりは硬くて綺麗に半分に切るのはとても難しいのですが、縦半分にカットすると外側と中心部の色が違うことがわかります。
松ぼっくりの鱗片は二層の繊維で構成されており、この鱗片の組織の構造と収縮率の違いによって湿気による開閉がおこるのです。
これは大学の電子顕微鏡を使わないと観察できないようなことなのですが、松ぼっくりは種を遠くに運ぶために、まるで機械のような仕組みを持っているんですね。
生きて神経が通っているわけでも、電気などのエネルギーを使っているわけでもなくのに開いたり閉じたりできる、松ぼっくり。
種を飛ばすという目的を果たした後も、湿度が変化すれば松ぼっくりは開閉します。
人の汗で濡れると開き、乾燥すると閉じる「スマートファブリック」という今注目の繊維は、松ぼっくりのこの開閉メカニズムからヒントを得て作られたんですって!
松ぼっくりの仕組みは先端技術にも応用されるくらいすごいものなんですね。
松ぼっくりで自由研究【動画あり】
組織の収縮率、という難しい話はさておき、「松ぼっくりは開いたり閉じたりする」というのはとても興味深い事実です。
顕微鏡で繊維を調べることができなくても、
「松ぼっくりが湿度で閉じる仕組み」
をしっかり観察して記録すれば、夏休みの自由研究にすることもできますよね。
松ぼっくりを気温や湿度が変化する場所に置いて、気温と湿度と一緒に開き具合を観察してみましょう。
松ぼっくりを水に沈めて一度完全に閉じ、開くまでにどのくらい時間がかかるか色々な条件で観察する、というのも面白いかもしれませんね。
日向と日陰、自然乾燥とドライヤーなど条件を変えて比較すると良いと思います。
松ぼっくりの種もよく観察して、なぜ天気の良い日に松ぼっくりが開くのか自分で考えたことをまとめましょう。
夏休みの自由研究では、松ぼっくりの性質を生かした工作を作る動画もありました。
一つだけだと工作としてはちょっと物足りない感じがしますが、ただの松ぼっくりではなく松ぼっくり人形にするなど工夫すると、楽しい作品が出来上がると思います。
どうやって大きな松ぼっくりを瓶に入れたの?!
とお友達をびっくりさせちゃいましょう!
まとめ
湿気だけで開いたり閉じたりする松ぼっくり。
小さな子供も簡単に楽しめる手品のような面白さがありますが、その開閉の仕組みは最先端の技術にも生かされている、大人にとってもとても興味深いものです。
松ぼっくりを拾ってきたら、ぜひじっくり観察してみてくださいね。