桜咲く四月。
各地で様々なイベントがありますが、一度は体験したいのが豪華な装飾の屋台(山車)で有名な岐阜県の「高山祭」です。
日本三大曳山(ひきやま)祭、日本三大美祭、ともいわれる高山祭。
2016年にはユネスコの無形文化遺産にも登録されました。
高山祭は春と秋の2回行われますが、春の高山祭と秋の高山祭には違いがあります。
春の高山祭の見どころをご紹介します。
岐阜高山祭の見どころ!重要有形民俗文化財の屋台
お祭の時期(日程)は、毎年4月14日と15日と決められています。
そのため、週末になるとは限りません。
2025年までのカレンダーではこのようになっており、残念ながら土日両日とも高山祭に重なる日程はありません。
2020年 4月14日(火曜日) 4月15日(水曜日)
2021年 4月14日(水曜日) 4月15日(木曜日)
2022年 4月14日(木曜日) 4月15日(金曜日)
2023年 4月14日(金曜日) 4月15日(土曜日)
2024年 4月14日(日曜日) 4月15日(月曜日)
2025年 4月14日(月曜日) 4月15日(火曜日)
お祭りの日程を4月の第3土日などにしては?
という声もあったそうですが、春の高山祭は日枝神社の例大祭ですから14日に試楽祭、翌15日に本楽祭を行う神事の伝統を守って開催されているのです。
では、春の岐阜高山祭(山王祭)の見どころを紹介します。
山王祭の見どころは4つあります。
1 御巡幸(祭行列)
御巡幸(ごじゅんこう)は神輿を中心に裃姿(かみしもすがた)の総勢数百名が練り歩く大行列。
闘鶏楽(とうけいらく)という色鮮やかな着物をきて「カンカコカン」のリズムで舞う祭舞踊、獅子舞など、まるで歴史絵巻を見るようだと人気があります。
御巡幸の時刻と経路はだいたい以下の通りです。
・4月15日午後 お旅所を出発、日枝神社に戻る
※お旅所(おたびしょ)とは、巡幸の途中で宿泊する場所で市内を流れる宮川に架かる中橋の袂(高山陣屋前)にあります。
2 屋台曳き揃え
豪華絢爛な国の重要有形民俗文化財、飛騨の祭屋台。
屋台蔵から12台の屋台が曳き出されて勢揃いするのが「屋台曳き揃え」です。
動画:2018年春の高山祭り(中橋を渡る屋台)
春の高山祭といえば、桜の名所でもある赤い「中橋」を通る屋台!
このシーンはぜひ写真におさめたいですね。
上の動画でわかるように、観光客が動いてくる屋台のすぐ近くを一緒に歩けるのもこのお祭りの魅力です。
屋台囃子を演奏しながらお旅所前広場のほか、神明町通り、本町一丁目、
さんまち通りに曳き揃えられます。
(お旅所前4台、神明町通り8台 )
・4月15日 午前9時30分から午後4時頃まで
(お旅所前4台、本町一丁目2台、さんまち通り6台)
ところで、お祭りで「屋台」というとたこ焼きなどの「露天」「出店」を思い浮かべてしまう方も多いはず。
高山祭では「屋台=祭屋台」ですから、地元の方は出店のことは「香具師」と呼ぶようですね。
香具師の読み方は何種類かありますが、高山では「やし」と言います。
香具師は鍜治橋より北側の本町通りにまとめて出店していますよ。
3 からくり奉納
「お旅所前」で約50分ほど披露される「からくり奉納」は高山祭の目玉です。
三番叟・龍神台・石橋台の屋台の「からくり人形」の演技はまるで生きているかのようで、匠の技を感じます。
・4月14日 は午前11時頃と午後3時頃
・4月15日 は午前10時頃と午後2時頃
3台の屋台によるからくり奉納が披露されるのは春の高山祭ならではです。
(*秋のからくり屋台は布袋台のみ)
一回の奉納は50分程度です。
混雑状況によっては、からくり奉納開始前でもお旅所前への侵入が制限されたり、中橋が通行止めになることもありますから、早めに場所を取っておくと良いでしょう。
4 夜祭
夜祭は、14日の夜に行われます。
それぞれの屋台に100個もの提灯が灯され、午後6時30分頃に神明町を出発します。
赤い中橋は春の観光シーズン(2019年は4月1日~5月6日)新緑や桜と共にライトアップされますが、夜祭が催行される時はライトアップは休止されます。
漆黒の中に提灯の灯りが浮かび上がる幻想的な雰囲気と美しさはまた格別です。
屋台は町をゆっくりと巡り、最後は「高い山」という曳き別れ歌を歌いながら各屋台蔵へ帰っていきます。
高山春祭り観光ではここに注意!
御巡幸の列の中へ入りこんでの撮影は禁止です。
雨が降ると、からくり奉納・御巡幸・屋台曳き揃え夜祭は中止となります。
屋台は貴重な文化財なので雨に濡れるわけにはいかないからです。
順延はありませんので、天気予報をよく確認しておきましょう。
大切に保存されている屋台ですから手で触ろうとしたり、一緒に曳こうとするのは絶対にやめてくださいね。
高山祭では屋台のそばまで行けることもありますが、屋台が方向を変えるときは危険なので近寄らないように!
また、高山は標高500m近い山間に位置しています。
昼間暖かくても、夜祭の時間にはぐっと冷え込むこともあるので寒さ対策をしておきましょう。
この時期は雨も多いので雨対策も必要です。
街にゴミ箱はありません。
飛騨高山にはみたらし団子や牛串など美味しいものがありますが、条例で「ごみのポイ捨て」「路上喫煙」が禁止されており、地元の人は歩きながらの飲食もしないそうです。
食べ物を買ってでたゴミは、買ったお店で捨ててもらうか持ち帰り、くれぐれもポイ捨てなどしないようにしてくださいね。
高山祭春と秋の違いは?
岐阜高山祭は春と秋、年に2回行われます。
どちらもからくり屋台で有名ですが「春と秋」という季節以外に違いはあるのでしょうか?
実は、高山祭は春の「山王祭」と秋の「八幡祭」の総称です。
山王祭、八幡祭の名前からわかるように、春と秋では祭りを執り行う神社が異なります。
春の「山王祭」は、旧高山城下町南エリアの日枝神社(山王様)の例祭。
秋の「八幡祭」は、北エリアの櫻山八幡宮の例祭になります。
春と秋で、開催地区が高山の安川通りを中心に左右に別れているんですね。
重要有形民俗文化財の屋台が曳き廻されるのはどちらも同じですが、春は3台の屋台が「からくり奉納」を披露するのに対し、秋のからくり奉納は「布袋台(ほていたい)」のみです。
からくり屋台が1台、というのはさみしいようですが、布袋台のからくりは唐子人形が空中ブランコのように回転しながら布袋和尚の肩に飛び乗る、というとても高度な「離れからくり」で見応えがあります。
また、秋の八幡祭には春にはない「屋台曳き廻し」という4台の屋台が町を巡る行事があります。
夜の巡行の名称も春と秋で違います。
春の山王祭は「夜祭」、秋の八幡祭は「宵祭り」といいます。
舞や時代装束の飾りなども、春は桜、秋は菊といった違いがあり、こうした違いを楽しみに春、秋ともに訪れる人もいます。
春、高山の桜の季節と山王祭が重なるととても綺麗ですし、秋は紅葉には早いですが春より天候に恵まれる日が多いです。
春・秋に共通して注意したいのは、かなり混雑することと夜、または天候によっては冷えるということですね。
まとめ
春の岐阜高山祭、山王祭は毎年4月14日と15日に行われます。
山王祭の見どころは、
・午後に行われる「御巡幸(祭行列)」
・午前から午後に行われる「屋台曳き揃え」
・午前と午後、一日に二回披露される「からくり奉納」
・14日の夜に行われる「夜祭」
の4つです。
国内だけでなく外国人観光客にも人気の高いお祭りで大変混雑しますから、案内所でパンフレットをもらったら早めに場所を確保しましょう、
有名な高山祭の祭屋台は貴重な文化財であるため、雨天の場合は昼夜ともに屋外での運行が中止されます。
桜が美しい春の高山ですが、冷え込むこともありますので雨対策、寒さ対策が必要です。
高山祭の春と秋の違いは、
・春は日枝神社の「山王祭」、秋は桜山八幡宮の「八幡祭」
・開催地区(運行経路)
・からくり屋台の数
・「屋台曳き廻し」の有無
・夜の祭りの名称
・舞や装束の装飾
です。
春を見ると秋、秋を見ると春の祭りも見たくなる、と言われる高山祭り。
日本人なら一度は体験したい、美しいお祭りです。