干ししいたけにつく、こげ茶のゴマ程度の大きさの虫。
高級な国産の「冬茹(どんこ)」が虫食いで穴だらけになると本当にショックですよね。
この、カブトムシの角と足を取ったような2mmの甲虫の正体は一体何で、どこから来たのでしょうか?
生椎茸に卵が産み付けられて、干している間に孵化した?
干し椎茸を保存している時に、どこから入り込んだ?
どちらにしても気持ちが悪いし、除去したい!
干し椎茸につく小さな黒い虫対策についてお伝えします。
*生しいたけにつく白い虫については、こちら で解説しています。
干し椎茸の保存中につく虫は何?
干し椎茸にウジャウジャとわく
・ゴマのように小さくて茶〜黒色
・角のない小さなカブトムシのような甲虫
・飛んでいるときはなんとなく赤い
という特徴のある虫は、
シバンムシ(タバコシバンムシ・煙草死番虫)
です。
シバンムシの画像は こちら で確認してください。
シバンムシが干し椎茸につくと、椎茸がボロボロになってしまうだけでなく、どんどん増えて他の乾物にまで食害が広がる危険があります。
シバンムシが好むのは干し椎茸の他に
・米
・小麦粉
・素麺
・クラッカーやクッキー
・ドライフルーツ
・ペットフード
・ドライフラワー
・ポプリ
他にもクリスマスリースやお手玉の小豆、ココア、クレイジーソルト、木製の置物など、植物質の乾物全般。
シバンムシは畳も好きで、畳に穴を開けてしまうこともあります。
畳を餌にするようになると、繁殖が続きどんどん増えてしまうので要注意です。
シバンムシは乾物は食いつぶしますが、人体に害をなすことはありません。
ですが、シバンムシの幼虫に寄生するアリガタバチ(シバンムシアリガタバチ)が大発生すると人を刺すことがあるので、シバンムシはなるべく早く退治するべきです。
アリガタバチの画像は こちら で確認できます。
干し椎茸のシバン虫を除去する方法
干し椎茸をシバンムシの被害から防ぐには、干し椎茸を湿気させないことが大切です。
保存場所はシンク下より高い戸棚にし、密閉容器に入れて乾燥剤を入れると良いでしょう。
干し椎茸は常温保存できますが、心配な場合は冷凍すると安心です。
「開封後は冷凍庫または冷蔵庫にて保管してください。」とパッケージに記載している乾しいたけもあります。
湿気てしまったと思ったら、太陽に2〜3時間当てて「天日干し」してもいいでしょう。
天日干しした干し椎茸は、太陽の熱が冷めてから密閉容器で保存します。
シバンムシが発生してしまった干し椎茸は、他の乾物に被害が広がらないうちに捨てます。
シバンムシはビニール袋を食いちぎることができるので、ビニールで保存していた場合はすでに移動している可能性もあるので室内を注意して観察してください。
干し椎茸を廃棄すれば、シバンムシの除去は終了です。
しかし、すでに室内で増殖してしまっている場合は「フェロモントラップ」や殺虫剤での処理が必要になります。
シバンムシには普通の殺虫剤は効かないので、専用のものが必要になります。
いくつかの商品を参考にあげておきます。
*シバンムシの雄を捕まえるフェロモントラップ
*シバンムシに効果のある殺虫スプレー
*畳や室内に大量発生したシバンムシを除去する燻蒸剤
この他、光でシバンムシを誘引するライトトラップ(電撃殺虫器)も死番虫退治に有効です。
大量発生してしまった場合は、これらを利用して完全に除去してください。
きのこの虫は食べても大丈夫?シバンムシを食べてしまったら
干し椎茸にシバンムシがついていたのに気づかず、うっかり食べてしまった!
ゴマ粒のような虫ですから、知らずに口に入れてしまうこともあります。
もし食べてしまっても、慌てて病院に行く必要はありません。
知らずにシバンムシを食べてしまった、という人は実は結構いるのですが、それで体調を崩す人はほぼいません。
NARO農研機構によると、食品などに混入する虫と食用にされる虫に差はなく、毒性成分を含んでいることはないと考えて良いそうです。
虫が加熱されていない場合は、雑菌や寄生虫などによる汚染の可能性、人によっては虫でアレルギー反応を起こす可能性もありますが、シバンムシも「食品などに混入する虫」なので食べても基本問題はありません。
しかし、食べて気持ちの良いものではありませんので、干し椎茸がボロボロになっていたら使用する前に虫がついていないかよく確認するようにしましょう。
まとめ
干し椎茸につく茶色くて小さい甲虫は、シバンムシ(死番虫)です。
人体に害をなす虫ではありませんが、人を刺す虫が寄生するため除去する必要があります。
虫がついた干し椎茸は、繁殖を防ぐため破棄しましょう。
増えてしまった虫を退治するには、専用の殺虫剤が必要になります。
参考商品:楽天市場で購入できるシバンムシ除去グッズ一覧
参考商品:Amazonで購入できるシバンムシ除去グッズ一覧
万が一口に入れてしまったとしてもそれで病気になるようなことはまずありません。