本当は自分の結婚式にぜひ出席して欲しかった、招待したら心から喜んでくれたはずの大切な人。
「亡くなった父、母、祖父母にもぜひ結婚式を見て欲しい」
結婚式に遺影を持ち込みたい、と思う方は多いと思います。
すでに故人となってしまって参加できない大切な人の写真(遺影)を、結婚式や披露宴の会場に置く、ということはできるのでしょうか?
結婚式、というお祝いの場に遺影を持ち込むことを迷っている方に参考にしていただきたいことをまとめてみました。
結婚式に遺影持ち込みして大丈夫?
亡くなった方のお写真を、人知れずひっそりと胸ポケットなどに忍ばせる、というのはもちろん問題ありません。
もっときちんと故人の席を設けたい、テーブル席に遺影を置きたい、という場合も大抵の結婚式場で対応してもらえます。
ご両親のどちらかが亡くなっている場合は、お父様なら「お母様の席の隣」に、おじい様おばあ様が故人の場合は「親族席」に遺影を置いて席を設けることになると思います。
ただ、遺影と言っても結婚式ですから黒いリボンに黒枠のいわゆる「遺影」ではなく、あくまでお祝い事として、会場の雰囲気に合う大きすぎない普通の写真サイズ、普通のフレームにします。
ナチュラルな木のスタンドにお花を飾り、笑顔のおばあちゃまの写真を飾っている結婚式の写真を見たことがありますが、後から結婚アルバムになったのを見ても、とても素敵でした。
披露宴会場によっては、故人の写真を置いた席に食事(陰膳)を出してもらうことも可能です。
このように、結婚式に遺影を持ち込むというのはとても一般的なことなのですが、結婚式とは普通「一生に一度」のことなので、結婚するお相手が
「結婚式に遺影だなんて聞いたことがない、非常識!」
と思うことも、もしかしたらあるかもしれません。
結婚相手、またはその親族がこのような考えかも知れない、ということを念頭において、自分側だけでなく相手側にもあらかじめ遺影を置くことを伝えておき、理解してもらうことを忘れないようにしましょう。
結婚式場のプランナーさんから、お相手に「結婚式に遺影を持ち込むのはよくあることで問題ない」と説明してもらうのも良いと思います。
結婚式の集合写真に遺影を持って写る時の注意点
どなたかが遺影を持って結婚式の集合写真に参加する場合、少し注意して欲しいことがあります。
遺影のフレーム(額)のガラスが、フラッシュで光ってしまうことがあるのです。
ガラスが光ってしまうと写真撮影に支障が出て、故人と関係のないお相手の親族の心象を悪くする恐れがあります。
遺影を普通サイズの小さな写真にしても、逆光などでかなり光ってしまうことがありますから、あらかじめ写真のガラスを外しておくと良いでしょう。
集合写真は一緒に写る両家の親族にお配りするものですから、中には「遺影と一緒の写真」を嫌う人がいるかも知れません。
結婚式の集合写真に遺影を持ち込むのは、披露宴で自分側の親族席に写真立てを持ち込むことよりハードルが高いデリケートなことなのです。
集合写真撮影時に遺影を持ち込む際は、他のゲストへの配慮を忘れないようにしてくださいね。
一言お断りがあるだけで、印象はぐっと変わります。
結婚式のバージンロードを父の遺影と歩きたい
新婦のお父様がお亡くなりになっている場合、遺影のお父様とバージンロードを歩きたい、ということもあると思います。
この場合は、
「お父様の遺影を持ったお母様と歩く」
というのが一般的です。
男性の兄弟がいる場合は、兄弟がお父様の遺影を持って花嫁をエスコートしても構いません。
また、亡くなったお母様の写真を手にしたお父様と一緒にバージンロードを歩いた花嫁さんもいらっしゃいます。
新婦自身が遺影を持って一人でバージンロードを歩くと寂しい雰囲気になってしまうので、どなたかが花嫁さんをエスコートし、その方が遺影を持つ、というスタイルにするのが良いと思います。
また、新郎と新郎親族にも「遺影と一緒にバージンロードを歩きます」とあらかじめ伝えておくと良いでしょう。
まとめ
結婚式に遺影を持ち込むこと自体はよくあることですし、ゲストの皆さんも暖かく受け入れてくださいます。
ただ、結婚式は習慣やしきたり、常識と思うことが違う2つの家が協力して一緒に行うものです。
遺影を持ち込みたいときは、事前にお相手にその旨を伝え了承してもらうことがとても大切です。
素敵な結婚式になりますように!