故人が仏様になって(四十九日が過ぎて)
最初に迎えるお盆のことを、
新盆(にいぼん あらぼん)といいます。
初めてのお盆は、亡くなった方の
「初めての里帰り」でもあるので、
新盆には特別な飾りなどを用意します。
私はこの風習に馴染みがなく、
結婚してはじめて「新盆」という
言葉を聞き、ちょっと戸惑いました。
私と同じように、新盆ってどうやるの?
仏壇のないマンション住まいだったら?
と悩んでいる方の参考になればと
調べたことをまとめてみました。
新盆とは何をするの?いつやるの?
新盆、とは故人が亡くなって四十九日の忌明け後、
初めて迎えるお盆のことです。
(四十九日より前にお盆を迎えた場合は、翌年のお盆)
新盆の読み方は、しんぼんではなく
関東では「にいぼん」関西では「あらぼん」
と呼ばれることが多いようです。
初盆を迎える家では、新しい仏様のために祭壇を設え、
親類縁者だけでなく故人と親しかった人などもお招きして
お坊さんにお経をあげてもらい、食事をふるまうなど
盛大に供養します。お葬式並みにする地域もあるそうです。
新盆の時期は、普通のお盆と同じく、
7月または8月の13日から16日までです。
お盆月は地方によって違います。私は東京出身なので
「お盆は7月」ですが、8月にする地方が多いですよね。
私の実家ではお盆とは「家族でお墓参りに行く日」
というイメージしかないのですが、
子供の頃、夏休みに母方の祖父母の家(東北)に行き、
家の前でお盆の迎え火、送り火をたいたり、
キュウリの馬、ナスの牛を作った経験があります。
なので、お盆にはご先祖様が家に帰ってくる、
という話は母方の祖母から聞いていました。
ですが、「新盆」については何も知らず、
結婚してから夫の実家(北関東)で義両親が
お盆休みに「誰それさんが新盆だから」とあちこち
出かけることにカルチャーショックを受けました。
(自営業なので親戚の他にも”取引先の新盆まわり”
というのがあるようなのです!)
私にとっては「お盆」はとてもプライベートな、
家族だけの行事というイメージだったので、
お葬式でもないのに喪服で出かけ、引き物を
もらって帰ってくるのは本当に驚きでした。
(新盆の時は誰がいつ訪ねてくるかわからないので
お盆中の外出は控える、という地方があるのですね。
結婚するまで知りませんでした。)
新盆のやり方と用意するものは地方で違う!
新盆には、初めて家の戻る仏様が迷わないよう、
白紋天という無地の白い提灯を飾るそうです。
新盆には親戚が提灯を贈る、というしきたりもあり、
新盆にずらりと提灯が並ぶのを良しとする地方も
あるようです。
故人の霊を迎える精霊棚(しょうりょうだな)に飾るものや
お供えするものも、宗派や地方によって違います。
新盆のやり方や用意するものは、年長の親戚や
お寺の住職、それが難しい場合は、仏具店や
お葬式をお願いした所に聞いて、地元のしきたり
を確認するのが一番確実です。
新盆今どきの飾り方 マンションでは略式で
私は三人姉妹の長女なので、将来は喪主になることも
あるかもしれない、とぼんやり考えることもあるのですが、
自分も両親もマンション住まいなので、お盆には
もちろんちゃんとお迎えしてあげたいけれども、
提灯を贈られても飾る場所がないし、新盆に家で
お客様をおもてなしするのはちょっと無理、だと思います。
マンションで新盆を迎える方はどうしているのだろうか、
と思って調べてみたら、提灯の代わりにロウソクや
お線香、火が無理な場合は「ほおずき」を飾る、
精霊棚の代わりに小さなテーブルに故人の写真を置き
お花と好物を並べてお供えする、などの工夫をされていました。
マンションなど狭いスペースでも飾りやすい
小さなコードレス提灯と牛馬などがまとめられた
コンパクトな「新盆セット」を利用するのも良さそうです。
まとめ
新盆のしきたりはその地域によって異なるので、
「こうするのが当たり前」と思っている人達の中に
突然入ると、戸惑うことが多いですよね。
何をどう飾るのか、誰が提灯を買うのか、
お布施はいくらか、引き物はどうするのか、
わからないことはたくさんありますが、
これは郷に入れば郷に従うのみ。
その土地の習慣に合わせるしかありません。
故人を思う心、先祖を敬う心を忘れず、出来ることを
精一杯するのが良い供養ではないでしょうか。